バリュー株とグロース株の違い|指標・特徴・使い分け
2026/5/10 — 8分で読めます
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目次
株式投資を学んでいくと、必ず耳にするのが「バリュー株」と「グロース株」という2つの言葉です。どちらも長期投資のスタイルとして語られることが多いものの、特徴や向いている人はまったく異なります。
この記事では、バリュー株とグロース株の違いを、PER・PBR・ROEといった指標とあわせて初心者向けにやさしく解説します。NISAで長期投資を始めた方が、自分に合うスタイルを選ぶための判断材料になるはずです。
バリュー株とグロース株の違いをひと言で
まずは大まかなイメージから整理しましょう。両者の違いは、注目するポイントが「現在の割安さ」か「将来の成長性」かにあります。
- バリュー株:本来の企業価値より株価が割安に放置されている銘柄
- グロース株:売上や利益の成長スピードが速く、将来の伸びが期待される銘柄
バリュー株(割安株)の定義
バリュー株とは、企業の業績や保有資産から見て、本来の価値より株価が安く評価されている銘柄を指します。「割安株」とも呼ばれます。
たとえば、安定した利益を出している老舗企業なのに、市場全体の悲観や業界への先入観などで株価が低く放置されているケースです。製造業・金融・商社・不動産・鉄鋼といった成熟業種に多く見られる傾向があります。
グロース株(成長株)の定義
グロース株とは、売上や利益が急速に伸びており、今後も高い成長が見込まれる銘柄です。「成長株」とも呼ばれます。
具体的には、AI・クラウド・SaaS・再生可能エネルギーなど、市場そのものが拡大している領域でシェアを伸ばす企業が代表例です。利益の多くを再投資に回すため、配当が少ないか出していないことも珍しくありません。
指標で見るバリュー株とグロース株の違い
言葉の定義だけだと判断に迷うので、代表的な指標で具体的に比べてみましょう。実務では複数の指標を組み合わせて判断します。
PER・PBRで見る「割安さ」
バリュー株かどうかを判定するときの中心になるのがPER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)です。
- PER:株価が1株あたり利益(EPS)の何倍かを示す指標。一般的に15倍以下だと割安と見なされやすい。
- PBR:株価が1株あたり純資産の何倍かを示す指標。1倍未満だと「解散価値より安い」状態とされ割安の目安。
つまり、PERもPBRも低い銘柄ほどバリュー株寄り、両方とも高い銘柄ほどグロース株寄りという見方ができます。それぞれの指標の詳しい使い方はPERとPBRの違いをまとめた記事で解説しているので、あわせて読むと理解が深まります。
ROE・EPSで見る「成長性」
グロース株の判定で重要になるのが、稼ぐ力を示すROE(自己資本利益率)と、1株あたり利益のEPSです。
- ROE:株主から預かったお金でどれだけ利益を生んでいるかを示す指標。一般的に10%以上だと優良とされる。
- EPS:1株あたりの利益。年々増えていれば成長中、減っていれば失速中と判断できる。
グロース株はROEが高く、EPSも年々伸びている傾向があります。一方、バリュー株はROEがそこそこ(5〜8%程度)でも、配当や資産価値で評価されることが多いです。
各指標の詳細はROEとは何かをまとめた記事、ROAについて解説した記事、EPSについての記事で詳しく取り上げています。
配当利回りの違い
もうひとつ大きな違いが配当の出し方です。
- バリュー株:利益を株主に還元する傾向が強く、配当利回りが3〜5%程度になることもある
- グロース株:利益を成長投資に回すため、配当利回りは1%未満や無配のことも多い
「インカムゲイン(配当収入)を重視したい」という方は、自然とバリュー株や高配当株に目が向きやすくなります。配当利回りの基本は配当利回りとは何かを解説した記事で確認してみてください。
バリュー株のメリット・デメリット
バリュー株は「すでに評価が低いところからスタート」というのが大きな特徴です。
メリット
- 株価がもともと低水準のため、暴落時の下落幅が比較的小さい傾向がある
- 配当や株主優待が手厚い企業が多く、保有中のリターンを得やすい
- 業績が安定した成熟企業が多く、長期保有に向いている
デメリット
- 株価が割安のまま長期間放置される「バリュートラップ」のリスクがある
- 大きな値上がり益(キャピタルゲイン)は狙いにくい
- 業界自体が斜陽だと、割安に見えて実は妥当な評価というケースもある
グロース株のメリット・デメリット
グロース株は「将来の伸びしろにお金を払う」という考え方です。
メリット
- 業績拡大に伴い、株価が数倍になる可能性がある
- 新しい産業やテクノロジーに投資できる
- 長期的に企業が成長し続ければ、複利効果が大きい
デメリット
- 期待を裏切る決算が出ると株価が大きく下落することがある
- もともと割高な水準で買うため、下落時の幅も大きい
- 配当が少ない、または無配のため、保有中のキャッシュフローが薄い