REITとは?仕組み・株式との違いを初心者向けに解説
2026/6/20 — 8分で読めます
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目次
REIT(リート)とは、投資家から集めたお金で不動産を運用し、その家賃収入などを投資家へ分配する金融商品です。少額から不動産に投資でき、分配金を受け取れる点が特徴です。この記事では、REITの仕組み、株式との違い、分配金が多い理由、種類、メリットとリスクを初心者向けにわかりやすく解説します。
REITとは?不動産投資信託の仕組みを解説
REITは「Real Estate Investment Trust」の略です。日本語では不動産投資信託と訳されます。日本国内のものは特にJ-REITと呼ばれます。「J」は日本(Japan)を表します。
仕組みはシンプルです。多くの投資家からお金を集めます。そのお金でオフィスビルやマンション、物流倉庫などを購入します。そして得られた家賃収入や売却益を、投資家に分配する仕組みです。
少額から不動産に投資できる
本来、不動産投資には多額の資金が必要です。たとえばマンションを1棟買うには数億円かかることもあります。しかしREITなら、数万円程度から購入できる銘柄もあります。
具体的には、REITは証券取引所に上場しています。そのため株式と同じように、証券会社の口座から売買できます。投資家は「投資口」と呼ばれる単位を購入します。1口の価格が、その銘柄の投資金額の目安です。
運用はプロが担当する
REITの運用は「投資法人」という器を通じて行われます。実際の物件選びや管理は、専門の「資産運用会社」が担当します。つまり、投資家自身が物件を探したり管理したりする必要はありません。
一口でも複数の不動産に投資できる点も魅力です。1つのREITが数十棟の物件を保有していることも珍しくありません。これは分散投資の効果につながります。空室が出ても、他の物件の収入でカバーできるためです。
REITと株式の違いとは
REITは株式と同じように証券取引所で売買します。しかし、その中身は大きく異なります。ここでは主な違いを整理します。
投資対象が「不動産」である
株式に投資すると、その企業の事業全体に投資することになります。一方、REITに投資すると、不動産の運用に投資することになります。つまり、収益の源泉が「家賃収入」である点が大きな違いです。
家賃収入は、企業の業績に比べると変動が小さい傾向があります。テナントとは長期契約を結ぶことが多いためです。たとえば物流倉庫では、10年単位の契約も珍しくありません。
「分配金」を受け取る
株式では、企業が利益の一部を株主に還元します。これを配当金と呼びます。REITでは同じものを「分配金」と呼びます。名前は違いますが、定期的にお金を受け取れる点は共通しています。
受け取った分配金を再び投資に回す方法もあります。これを配当再投資と呼びます。長期投資では、複利の効果を高める手法として知られています。
REITの分配金が多い理由とは
REITは、株式と比べて相対的に分配金利回りが高い傾向があるといわれます。その背景には「導管性」という制度上の仕組みがあります。
導管性という仕組み
導管性とは、利益が投資家へそのまま「通り抜ける」仕組みのことです。一定の条件を満たすと、REITが分配した利益分には実質的に法人税がかからない扱いになります。お金が水道管(導管)を通るように、投資家へ流れるイメージです。
その条件の代表例が「配当可能利益の90%超を分配する」ことです。この要件を満たすと、分配した利益分を損金に算入でき、その部分には実質的に法人税がかからない扱いになります。条件は他にもあり、資産運用業務を資産運用会社に委託することなどが含まれます。
内部留保が少ない
一般の企業は、利益の一部を社内に蓄えます。これを「内部留保」と呼びます。将来の投資や不測の事態に備えるためです。
一方、REITは利益の大部分を分配へ回します。前述の90%超という要件があるためです。つまり内部に貯め込まず、収益がほぼそのまま分配金として出される構造です。これがREITの分配金が多くなりやすい理由です。なお、分配金の水準は銘柄や時期によって変動します。
分配金の受け取り額を考えるうえでは、配当利回りの考え方も役立ちます。利回りは「年間の分配金 ÷ 投資口価格」で計算する点は、株式の配当利回りと同じです。
REITの種類とは?投資対象で分類される
REITは、投資する不動産の種類によって分類されます。大きく「特化型」「複合型」「総合型」に分かれます。
用途による主な分類
1つの用途に絞った銘柄を「特化型」と呼びます。主な種類は以下の通りです。
- オフィス型:賃貸オフィスビルが対象。景気の影響を受けやすい傾向があります
- 住宅型:賃貸マンションが対象。生活の基盤のため、収入が比較的安定しやすいといわれます
- 物流型:倉庫や物流施設が対象。長期契約が多く、テナントの入れ替わりが少ない傾向があります
- 商業型:ショッピングセンターなどが対象。消費動向の影響を受けやすい面があります
- ホテル型:宿泊施設が対象。観光や出張の需要に左右されやすい傾向があります
このように、用途ごとに収益の特徴が異なります。これは株式のセクター(業種区分)の考え方に似ています。投資先がどの分野に強いかを理解することが大切です。
複合型と総合型
2つの用途に投資するものを「複合型」と呼びます。3つ以上の用途に投資するものを「総合型」と呼びます。複数の用途に分散するため、特定の分野が不調でも影響を抑えやすい傾向があります。
J-REITとREIT ETFの違いとは
REITへの投資には、いくつかの方法があります。代表的なのが「個別のJ-REIT銘柄」と「REIT ETF」です。両者の違いを押さえておきましょう。
個別J-REITとETFの仕組みの違い
個別J-REITは、1つひとつの投資法人の銘柄です。東証には数十銘柄が上場しています。投資家が自分で銘柄を選んで購入します。
一方、REIT ETFは、多数のJ-REITをまとめた商品です。ETFは「上場投資信託」を指します。たとえば「東証REIT指数」に連動するETFがあります。これは東証に上場するJ-REIT全体の値動きを表す指数です。1本買うだけで、市場全体に分散投資する効果が期待できます。
ETFの基本的な仕組みは、こちらの記事でも解説しています。あわせて読むと理解が深まります。ETFとは(投資信託との違い)を参考にしてください。市場全体に投資する考え方は、インデックス投資とも共通します。
NISAでの扱い
NISA(少額投資非課税制度)でも、REIT関連の商品に投資できます。成長投資枠では、個別のJ-REIT銘柄やREIT ETFを購入できます。一方、つみたて投資枠では、対象が一定の基準を満たした投資信託に限られます。
個別銘柄を選んで投資する点は、株式と共通する面があります。NISA成長投資枠で個別株に投資する場合の考え方も参考になります。
REITのメリットとリスクとは
REITには魅力がある一方、注意すべきリスクもあります。両面を理解して判断することが大切です。
主なメリット
- 少額から始められる:実物の不動産より、はるかに小さい金額で投資できます
- 分配金を受け取れる:導管性の仕組みにより、利益の大部分が分配されます
- 流動性が高い:株式と同じように、市場で売買できます。実物不動産より換金しやすい点が特徴です
- 分散しやすい:1銘柄でも複数の物件に投資できます
知っておきたいリスク
- 金利上昇リスク:REITは借入で不動産を買うことが多いです。金利が上がると、利息の負担が増えます。これが収益を圧迫する要因になり得ます。金利と価格の関係には注意が必要です
- 分配金の変動リスク:分配金は固定ではありません。テナントの退去や賃料の変更で増減します
- 災害リスク:地震や台風で建物が損傷する可能性があります。物件の価値や収入に影響することがあります
- 価格変動リスク:投資口の価格は市場で日々変動します。買った時より値下がりすることもあります
REITは不動産という資産に投資する商品です。値動きの傾向が株式とは異なる場面もあります。複数の資産に資金を分けて持つことは、分散投資の基本的な考え方です。
REITと株式投資の理解を深めるなら
ここまで、REITの仕組みや株式との違いを見てきました。REITは家賃収入を源泉とする商品です。一方、株式は企業の事業に投資する商品です。どちらも仕組みを理解することが、投資の第一歩になります。
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※本記事は2026年6月時点の情報をもとに作成しており、情報提供を目的としています。投資助言ではありません。特定の銘柄の売買を推奨するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。制度・数値は時期により変動します。