分散投資とは?リスクを抑える基本戦略を初心者向けに解説
2026/4/29 — 10分で読めます
.png&w=3840&q=75)
目次
分散投資とは?「卵を一つのカゴに盛るな」の意味
NISAで投資信託の積立を始め、次のステップとして個別株に興味を持つ方が増えています。そのとき必ず出てくるのが「分散投資」というキーワードです。
分散投資とは、投資先や投資のタイミングを複数に分けることで、資産全体のリスクを抑える投資手法です。1つの投資先に資金を集中させるのではなく、性質の異なる複数の対象に分けて投資します。
投資の世界には「卵を一つのカゴに盛るな」という有名な格言があります。すべての卵を一つのカゴに入れて持ち歩くと、カゴを落としたときに全部割れてしまいます。しかし、複数のカゴに分けておけば、一つを落としても残りは無事です。
これは投資でもまったく同じです。たとえば、1つの企業の株に全資金を集中させたとします。その企業の業績が悪化すれば、資産は大きく目減りしてしまいます。しかし、複数の企業や資産に分けておけば、一部が値下がりしても全体への影響を抑えられます。
この記事では、分散投資の4つの方法、NISAでの実践例、やってはいけない「悪い分散投資」まで具体例を交えて解説します。
分散投資でリスクを抑える4つの方法
分散投資には大きく分けて4つの方法があります。それぞれの特徴と具体例を見ていきましょう。
方法1:銘柄の分散
最もシンプルな分散が、複数の銘柄に投資先を分けることです。
たとえば、100万円の投資資金があるとします。これをA社1社に全額投じた場合、A社の株価が30%下落すれば、資産は70万円になります。しかし、A社・B社・C社・D社の4社に25万円ずつ分散していれば、A社が30%下落しても、他の3社が横ばいなら全体の損失は7.5%(7万5千円)に抑えられます。
一般的に、10〜30銘柄程度に分散すると、銘柄固有のリスクをかなり軽減できるとされています。ただし、単に銘柄数を増やすだけでは不十分です。次に説明する「セクター分散」も組み合わせることが重要です。
方法2:セクター(業種)の分散
セクター分散とは、異なる業種の銘柄を組み合わせることです。セクターとは「電気機器」「銀行」「食料品」など、企業を業種ごとに分類したグループを指します。
なぜセクター分散が重要なのでしょうか。たとえば、A社・B社・C社の3社に分散投資していても、3社とも半導体関連企業だったとしましょう。半導体不況が起きれば、3社とも同時に値下がりする可能性が高くなります。これでは「分散」の効果が薄れてしまいます。
具体的には、以下のような組み合わせを意識すると分散効果が高まります。
- 景気敏感セクター(電気機器、輸送用機器、鉄鋼など)とディフェンシブセクター(食料品、医薬品、電気・ガスなど)を組み合わせる
- 内需関連(小売、不動産、通信など国内売上が中心の企業)と外需関連(自動車、機械など海外売上比率が高い企業)を組み合わせる
セクターの基本については、セクターとは?業種別の特徴と投資戦略をわかりやすく解説の記事で詳しく紹介しています。
自分の保有銘柄がどのセクターに偏っているか確認したい方は、KabuWiseで各銘柄の分析レポートをチェックしてみてください。業種分類や事業内容がひと目でわかるため、ポートフォリオの偏りに気づきやすくなります。
方法3:資産・地域の分散(アセットアロケーション)
資産の分散とは、株式以外の資産クラスも組み合わせることです。代表的な資産クラスには、株式・債券・不動産(REIT)・金(ゴールド)・現預金などがあります。
株式と債券は一般的に逆の値動きをしやすいとされています。たとえば、景気が悪化して株価が下落する局面では、安全資産とされる債券に資金が流れ、債券価格が上昇する傾向があります。両方を持つことで、資産全体の振れ幅を小さくできるわけです。
地域の分散も重要です。日本株だけに投資していると、日本経済が停滞したときにダメージが大きくなります。日本株・米国株・新興国株などに分けることで、特定の国や地域のリスクを抑えられます。
わかりやすい具体例として、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のポートフォリオがあります。GPIFは私たちの公的年金を運用する世界最大級の機関投資家です。その基本ポートフォリオは次のとおりです。
- 国内債券:25%
- 外国債券:25%
- 国内株式:25%
- 外国株式:25%
4つの資産クラスに均等に配分するシンプルな構成です。このように資産と地域を組み合わせる配分計画のことを、アセットアロケーション(資産配分)と呼びます。
方法4:時間の分散(ドルコスト平均法)
時間の分散とは、一度にまとめて買うのではなく、複数回に分けて投資する方法です。購入タイミングを分散させることで、高値で一括購入してしまうリスクを軽減できます。
代表的な手法がドルコスト平均法です。これは「毎月1万円」のように、一定金額を定期的に購入し続ける方法です。
具体例で考えてみましょう。毎月1万円ずつ、ある株式を買い続けるとします。
- 1月:株価1,000円 → 10株購入
- 2月:株価500円 → 20株購入
- 3月:株価800円 → 12.5株購入
- 4月:株価1,200円 → 8.3株購入
※計算の都合上、端数の株数で表記しています。実際の個別株では1株単位(または100株単位)での購入が基本で、投資信託では金額指定で1円単位の買付が可能です。
4か月で合計4万円を投資し、約50.8株を取得しました。平均取得単価は約787円です。も1月に4万円を一括投資していたら、40株しか買えず、取得単価は1,000円でした。ドルコスト平均法により、株価が安いときに多く買い、高いときに少なく買うことで、平均取得単価を抑えられたのです。
NISAのつみたて投資枠で投資信託を毎月積み立てている方は、すでにこの「時間の分散」を実践しています。