信用取引と現物取引の違い|レバレッジとリスクを解説
2026/6/10 — 9分で読めます
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目次
NISAで個別株を始めると、証券会社の画面でよく目にする「信用取引」という文字。「現物取引と何が違うの?」「レバレッジって本当に怖いの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、信用取引と現物取引の違いを、レバレッジの仕組み・コスト・リスクの3つの観点から初心者向けに整理します。読み終わるころには、両者の構造を正しく理解し、自分にどちらが合っているかを冷静に判断できるようになります。
なお、信用取引は元本を超える損失が発生する可能性のある取引です。本記事は両者の違いを中立に解説するものであり、特定の取引手法を推奨するものではありません。
信用取引と現物取引の違いとは?基本をひと言で
もっとも大きな違いは「お金の出どころ」です。
- 現物取引:自分の資金で株を買い、保有して、売る取引
- 信用取引:証券会社からお金や株を「借りて」売買する取引
現物取引は、買った株式をそのまま自分の資産として保有します。一方、信用取引は証券会社に担保(保証金)を預けることで、自己資金以上の金額の取引や、持っていない株を売る「空売り」が可能になります。
つまり信用取引は、現物取引よりも「できること」が広がる代わりに、コストとリスクも増える仕組みになっています。
一目でわかる!信用取引と現物取引の比較表
まずは両者の違いを表で確認しましょう。
項目 | 現物取引 | 信用取引 |
必要な資金 | 株価×株数の全額 | 約定代金の約30%(最低30万円) |
レバレッジ | なし(1倍) | 最大約3.3倍 |
売りから入る取引 | 不可 | 可能(空売り) |
保有期限 | 無期限 | 制度信用は最長6か月など制限あり |
主なコスト | 売買手数料のみ | 手数料+金利・貸株料・逆日歩など |
配当・株主優待 | 受け取れる | 配当落調整金あり/優待は対象外 |
損失の上限 | 投資元本まで | 元本を超える可能性あり |
NISA口座 | 利用可 | 利用不可(課税口座のみ) |
ポイントは、信用取引は「自由度が高い反面、元本超過損失のリスクがある」という点です。ここから、それぞれの中身を詳しく見ていきましょう。
現物取引の特徴|自己資金の範囲で行うシンプルな取引
現物取引は、文字どおり「現物の株式」を売買する取引です。たとえば株価3,000円の銘柄を100株買うなら、約30万円(+手数料)の資金が必要になります。
現物取引の主な特徴は次の通りです。
- 自己資金の範囲でしか取引できない
- 買った株を保有している間は配当金・株主優待を受け取れる
- 保有期限がないため、長期保有に向いている
- 損失の上限は「投資した元本まで」に限られる
- NISA口座(つみたて投資枠・成長投資枠)でも利用できる
仮に株価がゼロになっても、損失は投資元本までです。借金が発生することはありません。長期投資や配当狙いの投資家に選ばれている理由は、このシンプルさと損失限定の構造にあります。
株式投資をこれから始める方は、まず株式投資の始め方で口座開設から購入までの流れを確認すると、現物取引の全体像がつかみやすくなります。
信用取引の特徴|資金を借りて行うレバレッジ取引
信用取引は、証券会社に「委託保証金(いたくほしょうきん)」と呼ばれる担保を預けることで、自己資金以上の取引ができる仕組みです。法令上、約定代金の30%以上かつ最低30万円の保証金が必要と定められています。
信用買いと信用売り(空売り)の違い
信用取引には2つの方向があります。
- 信用買い:証券会社からお金を借りて株を買い、後で売って返済する
- 信用売り(空売り):証券会社から株を借りて先に売り、後で買い戻して返済する
現物取引では「安く買って高く売る」しかできませんが、信用売りを使えば「高く売って安く買い戻す」ことで、株価下落局面でも利益を狙える可能性があります。ただし株価には上限がないため、空売りは理論上、損失が無限大になり得る点に注意が必要です。
なお、配当の権利取りと同時に空売りを組み合わせる「クロス取引」については、権利付き最終日と配当落ち日の記事で詳しく解説しています。
レバレッジ最大、3.3倍の仕組み
委託保証金率は最低30%と定められているため、保証金の約3.3倍(=1÷0.3)まで取引可能です。具体例で見てみましょう。
- 保証金:30万円
- 取引可能額:最大約100万円
- 株価が10%上昇 → 利益10万円(自己資金30万円に対し+33%)
- 株価が10%下落 → 損失10万円(自己資金30万円に対し-33%)
レバレッジは利益も損失も同じ倍率で拡大させる仕組みです。「利益が増える」面だけでなく、「損失も増える」面を必ず理解しておく必要があります。