株式投資の税金|確定申告が必要なケースと節税のコツをわかりやすく解説
2026/4/15 — 11分で読めます
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目次
「株で利益が出たら税金はどうなるの?」「確定申告って必要なの?」――NISAで投資を始めた方の多くが、一度はぶつかる疑問ではないでしょうか。
株式投資で得た利益には、原則として20.315%の税金がかかります。ただし、口座の種類や取引の状況によって、確定申告が必要な場合と不要な場合があります。
この記事では、株の税金の基本的な仕組みから、確定申告が必要・不要なケースの判断方法、そして損益通算・繰越控除を使った節税のコツまで、初心者の方にもわかりやすく解説します。
株式投資にかかる税金の基本|税率は20.315%
まず、株式投資で発生する利益と税金の関係を整理しましょう。
株式投資で得られる利益は、大きく分けて2種類あります。
- 譲渡益(売却益):株を買った値段より高く売ったときの差額で得られる利益
- 配当金:企業が利益の一部を株主に分配するお金(詳しくは「配当金とは?仕組み・税金・NISAを初心者向けに解説」で紹介しています)
どちらの利益にも、20.315%の税金がかかります。内訳は以下のとおりです。
- 所得税:15%
- 復興特別所得税:0.315%
- 住民税:5%
たとえば、株の売却で10万円の利益が出た場合、税金は約20,315円です。手元に残るのは約79,685円になります。
譲渡益(売却益)の計算方法
譲渡益の計算式はシンプルです。
譲渡益 = 売却価額 −(取得価額 + 売買手数料)
具体例で見てみましょう。ある株を50万円で購入し、70万円で売却した場合(手数料は合計1,000円とします):
- 譲渡益 = 70万円 −(50万円 + 1,000円)= 199,000円
- 税金 = 199,000円 × 20.315% = 約40,427円
- 手取り = 199,000円 − 40,427円 = 約158,573円
なお、複数回に分けて同じ銘柄を購入した場合、取得価額は「平均取得単価」で計算されます。たとえば、1株500円で100株、その後1株600円で100株を買った場合、平均取得単価は550円となります。
口座の種類で確定申告の要否が変わる
株式投資の税金を語るうえで、最も重要なのが証券口座の種類です。口座の選び方によって、確定申告が必要かどうかが大きく変わります。
特定口座(源泉徴収あり)── 確定申告は原則不要
「特定口座(源泉徴収あり)」とは、証券会社が税金の計算と納税を自動で行ってくれる口座です。利益が出るたびに20.315%の税金が自動的に差し引かれるため、原則として確定申告は不要です。
投資初心者の方には、この口座が最も手間がかからず安心です。多くの証券会社では、口座開設時にこの設定を選べます。
特定口座(源泉徴収なし)── 年間取引報告書が届く
「特定口座(源泉徴収なし)」では、証券会社が年間の損益を計算した「年間取引報告書」を作成してくれます。ただし、納税は自動では行われません。
給与所得者(会社員など)の場合、給与・退職所得以外の所得が年間20万円を超えると確定申告が必要になります。20万円以下であれば、所得税の確定申告は不要です(ただし住民税の申告は必要です)。
一般口座 ── 自分で損益を計算する必要がある
一般口座では、年間の損益計算を自分で行う必要があります。取引のたびに記録をつけ、確定申告時に計算明細書を作成しなければなりません。手間がかかるため、特別な理由がない限り、初心者にはあまり向いていません。
NISA口座 ── 利益が非課税になる
NISA口座で得た利益には、税金が一切かかりません。譲渡益も配当金も非課税です。通常なら20.315%かかる税金がゼロになるため、大きな節税効果があります。
たとえば、NISA口座で30万円の利益が出た場合、通常口座なら約60,945円の税金がかかりますが、NISAなら30万円がまるごと手元に残ります。
NISAの成長投資枠を使えば個別株にも投資できます。詳しくは「NISAの成長投資枠で個別株を購入する方法」をご覧ください。
口座タイプ別の比較まとめ
- 特定口座(源泉徴収あり):確定申告は原則不要。税金は自動で差し引かれる
- 特定口座(源泉徴収なし):20万円超の利益で確定申告が必要。年間取引報告書あり
- 一般口座:自分で損益計算が必要。確定申告も自分で行う
- NISA口座:非課税。確定申告は不要
確定申告が必要なケース・不要なケース
口座の種類以外にも、確定申告の要否を左右する条件があります。具体的なケースごとに見ていきましょう。
確定申告が不要なケース
- 特定口座(源泉徴収あり)のみで取引しており、追加の手続きを希望しない場合
- NISA口座のみで取引している場合
- 給与所得者で、株の利益(給与・退職所得以外の所得)が年間20万円以下の場合(源泉徴収なしの特定口座・一般口座)
確定申告が必要なケース
- 特定口座(源泉徴収なし)または一般口座で、給与・退職所得以外の所得が年間20万円を超える場合
- 複数の証券会社の口座間で損益通算をしたい場合
- 譲渡損失の繰越控除を利用したい場合
- 配当金について総合課税を選んで配当控除を受けたい場合
確定申告をしたほうが「お得」なケース
特定口座(源泉徴収あり)の方でも、以下の場合は確定申告をすることで税金が戻ってくる可能性があります。
- 年間の取引でトータルが損失だった場合:損失を翌年以降に繰り越せる(繰越控除)
- 複数の証券会社を使っている場合:A社で利益、B社で損失が出ていれば、損益通算で税金を取り戻せる
- 課税所得が低い場合:配当金を総合課税で申告すると、配当控除により税負担が軽くなることがある
つまり、「確定申告が不要 = しないほうが良い」とは限りません。自分の状況を確認して、申告したほうが有利かどうか判断することが大切です。