NTTは日本を代表する通信事業者で、固定電話・光回線・携帯電話などの通信サービスを幅広く提供しています。直近の2025年度は売上が2.5%増加して137,000億円を超える規模に達しましたが、営業利益は前年度から14%減少し、利益率が低下しました。国内通信市場の成熟化と競争激化の中での経営課題を抱えています。
事業概要
NTTは日本国内の通信インフラを支える中核企業です。主な事業は固定電話・ADSL・光回線などの固定通信事業と、携帯電話(docomo)を中心とする移動通信事業、さらにシステムインテグレーション・クラウドサービスなどのICT事業の3本柱で構成されています。
売上は150,000億円規模の超大型企業ですが、国内通信市場は成熟期にあります。固定電話利用者の減少、スマートフォンの普及による通話料金の低下、光回線市場での競争激化など、従来の高収益ビジネスが圧迫されている状況です。そのため、NTTは国内通信事業から得られる安定した現金流を活用して、デジタルトランスフォーメーション(DX)支援やクラウド・AI関連のICT事業への転換を進めています。
業績サマリー
2025年度の決算では、売上は133,745億円から137,047億円へ2.5%増加しました。ただし営業利益は19,229億円から16,495億円へ大きく減少し、14%のマイナスとなっています。これにより営業利益率は14.4%(2024年度)から12.0%(2025年度)に低下しました。
純利益も12,795億円から10,000億円へ22%減少し、1株あたりの利益(EPS)は15.09円から11.96円に低下しています。売上は微増していますが、利益が大幅に減少した点が特徴です。これは国内通信料金の低迷、競争激化に伴う値下げ圧力、そして事業構造の転換に伴う投資増加が影響したと推測されます。
一方、ROE(株主資本利益率)は33.3%から34%とわずかに改善しており、35%近い水準を維持しています。これは同業の大手通信事業者と比較しても高い効率性を示していますが、利益が減少している中での維持であることに注意が必要です。
強み・競争優位性
圧倒的な市場シェアと事業規模
NTTは日本の通信インフラの中核を占めており、売上137,000億円超は業界内で圧倒的な規模です。固定通信・移動通信ともに国内での支配的なシェアを保持しており、この規模は競争優位性となっています。