企業分析の始め方|初心者が見るべき5つの財務指標を解説
2026/5/5 — 11分で読めます
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目次
NISAで投資信託を積み立てているけれど、そろそろ個別株にも挑戦したい。そう考えたとき、最初の壁になるのが「企業分析」です。
「PERやROEという言葉は聞いたことがあるけれど、意味がわからない」「結局どの数字を見ればいいの?」。こうした悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。
この記事では、企業分析の初心者が最初に押さえるべき5つの財務指標を、計算式・目安・使い方までわかりやすく解説します。この5つを理解するだけで、企業の「割安さ」「稼ぐ力」「安全性」を自分で判断できるようになります。
なぜ個別株投資に企業分析が必要なのか
投資信託と個別株の違い
投資信託は、プロのファンドマネージャーが銘柄を選んで運用してくれる商品です。つまり、自分で企業を分析する必要がありません。
一方、個別株は自分で「どの企業に投資するか」を決めます。そのため、企業の業績や財務状況を自分で確認する力が必要になります。これが「企業分析」、専門用語ではファンダメンタルズ分析(企業の財務データや業績をもとに価値を分析する手法)と呼ばれるものです。
「なんとなく投資」のリスク
「有名な企業だから」「SNSで話題だから」という理由だけで株を買うのは危険です。知名度と投資価値は別物だからです。
たとえば、業績は好調でも株価がすでに割高な場合があります。逆に、知名度は低くても財務が健全で成長を続けている企業もあります。企業分析ができれば、こうした判断を自分でできるようになります。
企業分析で初心者が見るべき5つの財務指標【一覧】
企業分析に使われる指標は数多くありますが、最初からすべてを覚える必要はありません。まずは以下の5つの指標を押さえましょう。
指標 | 何がわかるか | 一般的な目安 |
|---|---|---|
PER(株価収益率) | 株価の割安・割高 | 15倍前後が目安 |
PBR(株価純資産倍率) | 資産面からの割安度 | 1倍が基準 |
ROE(自己資本利益率) | 経営の効率性 | 10%以上で優良 |
EPS(1株あたり利益) | 利益の成長力 | 前年比で増加傾向か |
自己資本比率 | 財務の安全性 | 40%以上で安定 |
それぞれ「割安さ」「稼ぐ力」「安全性」という3つの視点をカバーしています。順番に詳しく見ていきましょう。
指標1|PER(株価収益率)── 利益から株価の割安度を測る
PERの計算式と目安
PER(Price Earnings Ratio)は、株価が1株あたり利益の何倍まで買われているかを示す指標です。日本語では「株価収益率」と呼ばれます。
計算式はシンプルです。
PER = 株価 ÷ EPS(1株あたり利益)
たとえば、株価が3,000円でEPSが200円の企業なら、PERは15倍です。「この企業の利益15年分の値段で株が売られている」というイメージです。
日経平均株価のPERは歴史的には14~16倍が中心ですが、直近(2026年4月時点)は17~18倍台とやや高めの水準にあります。この水準を基準として、PERが低ければ「割安」、高ければ「割高」と判断する材料になります。
PERを見るときの注意点
PERは万能ではありません。以下の点に注意が必要です。
- 業種によって水準が異なる:成長が期待されるIT企業はPERが高くなりやすく、成熟した業種は低くなる傾向があります
- 赤字企業には使えない:利益がマイナスの場合、PERは計算できません
- 一時的な利益に注意:特別利益(不動産売却益など)でEPSが一時的に膨らむと、PERが実態より低く見えることがあります
PERだけで判断せず、後述するPBRやROEと組み合わせることが大切です。PERとPBRの違いについて詳しく知りたい方は、PERとPBRの違いを解説した記事もあわせてご覧ください。
指標2|PBR(株価純資産倍率)── 資産面から割安度を測る
PBRの計算式と目安
PBR(Price Book-value Ratio)は、株価が1株あたり純資産の何倍まで買われているかを示す指標です。日本語では「株価純資産倍率」と呼びます。
PBR = 株価 ÷ BPS(1株あたり純資産)
PBRの基準値は1倍です。PBR1倍は「株価が1株あたり純資産と同じ」という意味。つまり、会社を解散して資産をすべて分配したら、株価と同じ金額が戻ってくる水準です。
PBR1倍割れの意味
PBRが1倍を下回る「PBR1倍割れ」の企業は、理論上は「解散したほうが得」な状態です。2023年に東京証券取引所がPBR1倍割れの企業に改善策を要請したことで、大きな話題になりました。
ただし、PBR1倍割れ=即座にお買い得とは限りません。業績が低迷している企業は、純資産が将来減る可能性があるためです。PERと組み合わせて総合的に判断しましょう。
PERとPBRの使い分けについては、PERとPBRの違いとは?計算式・目安を初心者向けに解説で詳しく解説しています。