日本製紙は、新聞用紙や包装紙、段ボール、木材パルプなど紙・紙製品の製造・販売を手がけるメーカーです。直近の2025年度は売上が前年度比で増加傾向にある一方で、営業利益の伸びは限定的で、純利益が大きく減少しています。国内のパルプ・紙産業において、大手3社の一角を占める企業です。
事業概要
一言で言うと、様々な紙製品を作って売る会社です。
日本製紙は紙・パルプ製品を幅広く製造しており、大きく3つの事業から成り立っています。
第一に、新聞や雑誌などに使う紙の製造・販売があります。これは長年の経営の中心でしたが、デジタル化の進展で需要が減少しているのが業界全体の課題です。
第二に、食品のパッケージや段ボール、生活用紙(ティッシュやトイレットペーパー)など、日常生活に欠かせない紙製品の製造・販売があります。こちらは比較的に需要が安定しており、事業の重要な柱となっています。
第三に、製紙の原料となるパルプの製造と販売です。自社で生産したパルプを使うほか、外部にも販売しています。木材資源の調達から紙製品の最終販売まで、川上から川下まで手がけるのが特徴です。
業績サマリー
直近の決算データでは、2024年度の売上11,673億1,400万円から2025年度は11,824億3,100万円へ、約151億円(1.3%)の増加となっています。増収基調にありますが、伸び率は小幅にとどまっています。
営業利益(売上から販売費・管理費を差し引いた本業の利益)は、2024年度の172億6,600万円から2025年度の197億600万円へ、約25億円(14.3%)の増加です。売上の伸びよりも利益の伸びが大きいため、原材料コストの削減や業務効率化などの取り組みが一定程度成果を上げていると推測されます。営業利益率(売上100円あたりの本業利益)は2024年度の約1.48%から2025年度は約1.67%へと改善しています。
ただし、純利益(最終的な利益)は大きく減少しており、2024年度の227億4,700万円から2025年度は45億3,900万円へ、約182億円(80%)の減少となっています。この急激な減少は、営業外損益(金利や株式売却など、本業以外の要因)や税金などの影響が大きいと考えられます。
1株あたり利益(EPS)は、2024年度の197.09円から2025年度の39.33円へと大きく低下しています。配当利回りに関しては、年間配当は両年度とも10円/株となっており、100株保有すると年間1,000円の配当がもらえます。
強み・競争優位性
業界トップクラスの事業規模
パルプ・紙業界の国内大手3社の一角を占め、売上規模で同業他社と比較して競争力を持っています。この規模は原材料の調達力やコスト競争力につながります。