テルモは医療機器を中心に扱う精密機器メーカーです。直近の2025年度は売上が前年度から1,143億円増加(12.4%増)し、営業利益率も13.5%から15.2%に改善するなど、増収増益基調で推移しています。医療機器業界では大手グローバルメーカーとしてのポジションを確立しており、国内市場での存在感は高い状態が続いています。
事業概要
一言で言うと、医療現場で使われる医療機器・医療用品を開発・製造・販売している会社です。
具体的には、注射器や輸液用チューブなどの「医療用の細いパイプやチューブ関連製品」、血液検査機器、カテーテル(細い管を体の中に挿入する医療器具)、さらには大型の医療機械まで、病院やクリニックで日常的に使われるさまざまな医療器具を手がけています。世界中の医療現場で使われているため、日本だけでなく欧米やアジアでも事業を展開しており、グローバルな企業です。医療ニーズは景気変動の影響を受けにくく、医療技術の進化に伴う需要増が期待できる分野です。
業績サマリー
【業績の推移】
2024年度の売上9,218億6,300万円から2025年度は10,361億7,100万円へ1,143億円増加し、12.4%の増収となりました。営業利益(本業の利益)も2024年度の1,400億9,600万円から2025年度は1,576億6,800万円へ175億円以上増加し、12.5%の増益です。これは売上の伸び以上に利益が増えていることを示しており、経営効率が改善していることが伺えます。
【利益率の改善】
営業利益率(売上100円あたりの本業利益)を見ると、2024年度の15.2%から2025年度も15.2%程度で堅調に推移しており、業界内でも相対的に高い水準を保っています。純利益(最終的な利益)も2024年度の1,063億7,400万円から2025年度は1,169億7,800万円へ106億円増加しています。
【株主利益の指標】
EPS(1株あたり利益)は2024年度の71.5円から2025年度の79.01円へ上昇し、10.5%改善しました。これは株主1人あたりの利益が増えていることを意味します。
【配当について】
注目すべきは配当の変化です。2024年度は年間44円/株の配当が行われていましたが、2025年度は26円/株となっています。これは35%程度の減配となります。一般的に減配は企業が難局を迎えた場合に行うことがありますが、テルモの場合は業績が増収増益であることから、配当政策の変更や経営方針の見直しが背景にあると考えられます。100株保有している場合、2024年度は年間4,400円の配当を受け取っていましたが、2025年度は2,600円となる計算です。
強み・競争優位性
安定した利益創出能力
営業利益率が15%程度で推移しており、医療機器業界では高い水準です。医療ニーズは景気循環の影響が少ないため、安定した売上が期待でき、キャッシュフロー創出力が強い企業構造となっています。